酒の適量とは?
こんにちわ 聴覚評論家 なかがわです。
先日、テレビの収録でご一緒した懇意の先生がお酒の飲み方は、
「1日2合までなら毎日がベストだけど、1週間に1回一升酒もいいですよ」
とすすめていたので、内科医とは少し切り口が違う耳鼻咽喉科医流の
わたしの勧める飲み方を紹介したいと思います。
それは、
の3点です。
その心は、
- かさかさのお肌じゃ皮膚のバリア機能がダメになるのと同じように、アルコールを飲むと、咽頭や食道のぬめりはあっという間に剥がれてしまいます。咽頭や食道の粘膜面を被覆している粘液を洗い流すということに他なりません。この粘膜の防御機能が損なわれるときに傷がついたり出血したり感染しやすくなったりといろいろな問題が生じてきます。咽頭と食道の保護は、例えばガスパチョやベーコンセサミなどの前菜が最適です。
- 細胞のターンオーバーは、ヒトの細胞のすべてがミトコンドリアの支配下にあるので48時間待つことがとても大切です。壊れて死んだ細胞の復活には48時間かかるからです。つまり、48時間以内に刺激するのとそれよりも長いインターバルで刺激するのでは組織レベルでの回復が全く異なるのです。
- そうはいっても粘膜の表面は小骨やあつもので刺激されます。ですから一口ほおばったらしっかりと咀嚼することが大切です。食塊がごろごろと狭い食道を落下するときに傷がついてしまうからです。
酒量は大事な目安ですが、酒量に依存して発がんするか否かは遺伝子の要素も大きい。遺伝子がそうであっても粘膜にやさしいライフスタイルなら予防できるというのが耳鼻咽喉科医の考える健康法です。
もちろんこのコンセプトには肝臓のアルコール代謝に関する問題をいっさい考慮していません。そこのところを斟酌して飲み加減はご自身でご判断ください。
食を楽しむために酒がある。酒のみにおぼれないことがたいせつです。
さようなら、ごきげんよう!