こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

病院を受診する耳鳴患者はまた増える!?

NHKがradikoに参加、そしてAM放送廃止要請。ラジオよ、どこに向かってる? | ギズモード・ジャパン

インターネットラジオ隆盛期な今、AMラジオ波でのリスナーはどんどん減っているらしい。

そして4月からNHKラジオも正式にradikoに参入するらしい。

聴取環境の多様化は、リスナーにとって良いことと思っていたらどうもそうじゃないらしい。多様化ではなくて、ビルやマンションがあるととたんにノイズが入ってしまうAM波はもはや時代に即さないから止めるという話でもあるらしいのだ。

たしかにぼくの場合も、ラジオ番組は、スマホタブレットのアプリかGoogle speakerかAmazon Echoで聞いていることがほとんどだ。

しかし、臨床の現場では、もっとも廉価に実践できる耳鳴治療法の音源として、AMラジオの局間ノイズを使いましょうと指導することが少なくない。

適度にフラクタルな1/fゆらぎを持つAM波のノイズ音は耳鳴の癒し音としてもっとも廉価で手軽で効果がある音なのだ。

音響療法では、補聴器、ノイズジェネレーター、環境音CDなどの音源が使われる。もちろんそれらを使うとなると、補聴器なら17万〜50万、ノイズジェネレーターなら20万くらいはかかってしまう。環境音CDはどのCDを買えばいいかと問われることが多くネットで購入することが苦手な高齢者が耳鳴持ちの主流だったりするからなかなか扱いにくい。だからAMラジオの局間ノイズはプアマンズノイズジェネレーター音源としてとても最適なのだ。

AM波がなくなると手軽に行える音響療法の選択肢が一つ消えることとなる。さらに言うと、AM波でのラジオが消えるとその20年後には医学論文中のラジオを使った局間ノイズでの治療は効果ないと言う人も出てくるだろうなと。