ノイズキャンセル技術の功罪
総論的にはノイズキャンセルは「○」。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
各論的には「?」。
そのココロは、#ノイズキャンセル技術の功罪
ノイズキャンセル技術とは周囲の音をモニタリングしながらその音の逆位相の音を外耳道内に発生させることで音を打ち消す技術。これにより10〜30デシベルくらいベースラインのノイズを消してくれる。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
#ノイズキャンセル技術の功罪
基本は背景ノイズの過渡特性がおだやかに変化し、かつ予測可能な変化でないと打ち消せない。突発的な音の場合、逆位相が間に合わないこともある。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
初期のBOSEノイキャンC15は4khz以上の抑制は強くなかった。
#ノイズキャンセル技術の功罪
C30ヘッドホンからより強いノイズキャンセルとなり、より強い静寂が得られるようになったが、音楽再生なしでノイキャン効かすと不自然すぎる静寂と耳にへんな圧を感じるようになった。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
#ノイズキャンセル技術の功罪
イヤホンタイプでは、ソニー、BOSE、JBLなどがある。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
ここでもboseを例に話ししてみる。ワイヤーありなQC20は、ヘッドホンなC15とにたつけ心地だったが、バッテリーが貧弱であること、飛行機機内の使用にはスペック不足だった。その点wireless なqc30は秀逸。
#ノイズキャンセル技術の功罪
ぼくは今でも旧型のヘッドホンタイプQC15を使っている。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
たぶんこわれるまでこれを使うと思う。アナログなノイズキャンセルの方が、今のデジタルなキャンセリングより耳に優しく感じるからだ。
#ノイズキャンセル技術の功罪
聴力検査室の防音性能は40デシベルのダンピングが必要条件となっている。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
比較的静かな部屋で暗騒音は40くらい。
検査で調べるとき、その人が地獄耳なら10デシベルでも余裕で聞こえるから、暗騒音レベルは10以下にする必要がある。
#ノイズキャンセル技術の功罪
暗騒音を測りながらオージオグラムすることはほとんどないが、もしリアルタイムにスペアナできればこれ低レベル時でのTENやってることと同じ。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
#ノイズキャンセル技術の功罪
有毛細胞の毛は、海中の海草みたいなもの。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
わかめが海底の棚にきれいに並んでいるあのイメージ。
海水が干上がればダメになる。
海水の電解質バランスが悪くなればダメになる。
海水の流れが強すぎれば抜けてしまう。流れが止まればからまってしまう。
#ノイズキャンセル技術の功罪
無音とはつまり波も流れもない状態。突然、お互いの有毛が絡みあい、その干渉がいらぬノイズ「耳鳴」を生み出してしまう。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
無響室に入ると感じるあれ。
#ノイズキャンセル技術の功罪
ぼくらの耳にはふたつのノイズキャンセラーが備わっている。そしてひとつのノイズフィルタが脳にある。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
#ノイズキャンセル技術の功罪
耳のキャンセルは、あぶみ骨筋と有毛細胞が受け持っている。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
うるさい音を打ち消したり、一定のリズムなりアクセントの音だけをピックアップするのがあぶみ骨筋の働き。感性と感情に左右される。
#ノイズキャンセル技術の功罪
有毛細胞のノイズキャンセルはもっと単純だ。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
機械的なレスポンスで、大きな音は増幅し、より小さなのは抑制する。といっても70デシベル以上になるとあぶみ骨筋との協調のなかで増幅しなくなる。
#ノイズキャンセル技術の功罪
有毛細胞は生理的につまり機械的あるいは自動的に容赦なく40デシベル以下は抑制してくる。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
40以上70以下を増幅、40以下は抑制という仕掛けは、話声のピックアップという点では合理的にできてる。
#ノイズキャンセル技術の功罪
有毛細胞には感覚毛という毛が細胞ひとつひとつに150から200本くらい生えている。有毛細胞は全部で15000くらいで、2500が内有毛細胞、12000が外有毛細胞。あとは何してるかわかってない。12000で音の生み出すリンパの波をピックアップ、2500で周波数情報を脳に送る。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
#ノイズキャンセル技術の功罪
12000のうちの2500が内有毛細胞のための増幅系としてはたらき、残りは抑制系で働いているというイメージかな。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
#ノイズキャンセル技術の功罪
20から20000hzまでピックアップするのが耳だとよく言われるけど2500の細胞でそれを拾い上げている。そこのところのバランスの悪さはよくわからない。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
本当はそんなにこまかく聞いてないのかもしれない。
#ノイズキャンセル技術の功罪
耳にとってもっとも良い環境はすべての周波数が満遍なく閾値レベルで与えられていること。
— 聴覚評論家 中川雅文 (@masafummi) 2018年9月17日
#ノイズキャンセル技術の功罪