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こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

叱ったら人は育たない‼️

おはようございます^o^ 

聴覚評論家の なかがわ です。   

きょうは「叱らったらヒトは育たない理由」  について。  

それでは スタート(-_^)    

不安や恐怖で聞こえなくなる耳
家族や親友の当然の訃報を知らされた方が、ふさぎこんでしまい他人の話を聞く耳さえなくなってしまっているそんな状況に直面したことのある方は少なくないと思います。実は、ヒトは不安や恐怖によって一時的にきこえを失ってしまいます。

耳だけじゃない
不安や恐怖といった感情を激しくゆさぶられる状態に置かれるとヒトの脳はあまりに変化の大きな情報量さに対してワインドアップします。五感の重要なコントロールユニットである扁桃体は情報処理を一時的にやめてしまい、五感もその機能を失ったり、大きく調子をくずしてしまいます。五感すべてが不調になるのです。
しかし、外から見るときこえなくなっていることにしか気がついてあげることができません。例えば嗅覚や味覚の衰えを他人が同時に共感することはできないので、箸が進まないくらいしか気がついてあげることはできないでしょう。
聞こえはコミュニケーションの要ですから返事しない、的はずれな返事するなど周囲も容易に気がつけます。

不安や恐怖だけでなく喜びや感動も五感にバイアスをかけます。喜びや感動は、五感の感度をポジティブに増幅させるのです。そのため実際以上に誇張された情報として強く記憶されたりしてしまうのです。

コミュニケーションはお互い平静を保てる状態で行うこと。それはとても大切なポイントです。

芸術は爆発だ
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不安や恐怖でなく、気持ちが「喜び」「悲しみ」「怒り(anger)」に向かうとヒトの神経系は遮断ではなく出力に変わることもしばしばです。
ノーベル物理学賞を受賞した中村さんがインタビューで「研究の原動力はangerだった」とおっしゃったのをわたしはなるほどと思いました。青い光はangerかfairしか生みださないからです。怒りの爆発的なエネルギーは必ずしもダークサイドに向かうわけではないのです。
岡本太郎ピカソの作品に共通する「芸術は爆発だ」的な作品の背景にもangerがあります。ベロニカはその典型例でしょう。

非言語こそコミュニケーションの本筋
コミュニケーションがうまくいけば共感や安堵が得られます。コミュニケーションがゆがんでしまったり、齟齬が生じてしまうとそれは恐怖や不安や怒りを生み出す材料になってしまいます。
非言語コミュニケーションは、言語コミュニケーション以上に重要なのです。
コミュニケーションの要となる聴覚が遮断され、コミュニケーションの維持や継続ができなくなります。大なり小なり相手に不安や恐怖を与えてしまうことは、相手が聞こえない、聞かないという状況を生み出します。ことばの齟齬でこじれないようにするためにも非言語なアプローチがとても大切なのです。

なぜ恐怖や不安で聞こえなくなるの?

鼓膜で受け止められた音は、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨と言う3つの骨を介して、内耳までつたわります。音の振動は内耳にある有毛細胞で電気的なシグナルに変換され、聴神経から最終ゴールである大脳皮質へとそのシグナルを伝達します。

われわれがよく知っている音の経路はこの聴神経ですが、しかしそうした音の伝達は、聴神経だけだコントロールされているわけではないのです。

表情をコントロールする顔面神経が音の抑制に深く関わっています。表情が硬い、顔面がピクピクしている時には、音の大きさも高低も正確に拾い出せません。

感情が高ぶりストレスが高まると三叉神経は過緊張して頭痛や顎関節の不調を引き起こしますが、同時に鼓膜張筋も過緊張になり、耳が詰まったり、音がキンキン響くようになります。不安や恐怖で聞こえが、悪くなってしまうのは、ストレスに過敏に反応する顔面神経と三叉神経が関わっています。これは脳神経系の解剖学的近接性と機能面における感覚統合とよばれる相互作用ゆえと考えられています。

扁桃体 がワインドアップするためにも、聴神経も顔面神経も三叉神経も機能しなくなるのです。

上手に叱るは難しい
どうしてもひとの上に立つ立場になると、後輩やら部下にはなにがしか言わねばならぬ時があります。
「ゆるしやなさけは人を育てない。ここはひとつ厳しく、諭そう。」と自分のラッキーや偶然や過去の不始末は棚に上げて、努力や工夫の重要性をとうとうと語るは愚の骨頂です。
単刀直入に助言や指導をしたがるのが上に立ったばかりの人ほど陥りがちですが、そうした指摘は必ずと言っていいほど相手の耳に入りません。
言われた相手は、ワインドアップして聞く耳を持たなくなるばかりか時にはキンドリング(逆ギレ)されてしまいます。
コーチングというスキルを学ぶ必要性はそんなところにあるのかもしれませんね。とにもかくにも上司が直属の部下に指導や助言すればまずろくなことは起こりません。ここはひとつ ぐっと堪えて 第三者、しかもコーチングのプロに指導を委ねる。自ら気ずくようにセッティングするのが大事かと思います。

コーチングと脳科学はいずれ近いうちに話題にしたいと思います。

 それでは  ごきげんよう。

さようなら(^^)/~~~