こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

いわゆる炎上を自律神経システムから考える。

炎上とは、ツイッターフェースブックなどのSNSやブログなどに公開した自身の意見や考えに対して匿名性の高い不特定多数のリーダーがその記事に対して書き込みと言う具体的行動をいっせいに行う現象。by中川マサフミ

ブロガーや一個人が自身のサイトに情報をアップロードするという行為が行われないかぎりレスポンスは発生しない。

そのレスポンスが過剰な状況を炎上という。サイトの受けたにとっては、想像だにしないあまりに本意からかけ離れた過剰過ぎるレスポンスのことである。

リーダー(読み手)にとっては個対個の営みであるにもかかわらず受け手である発信者はその洪水のやうなレスポンスに恐れおののくことになる。

どれほどのレスポンスが来ると不安になるかはそのレスポンスが「いいね」であるか「悪いね」「ひどいね」であるかでも変わって来る。もちろん炎上とは後者の否定的な意見が重積した現像である。

おおくの書き手は、自身の発信に対する読み手のレスポンスが 寄せては返すさざなみ程度のものか あるいは311級の津波になるかを知るすべもない。そもそも書き込みした読者自身もその小さな行動が津波級の出来事にまで発展すると考えてはいないだろう。

 

炎上に対する正しい対処法は、

  • 既読スルー
  • 読者からのすべてのレスにひとつひとつ回答する
  • サイトの閉鎖

の3つしか対策はないとぼくは考えている。

 未読は書き込んできた相手を利するだけである。あなたが公開した意見に対して何らかのコミュニケーションなり関わりをしたいが故にすがたを見せない書き込み手はリツイートしたりレスポンスする。彼らか稚拙なアプローチの是非はさておき、未読は彼らの気分を害する。放っておいてもいずれ異なる読者がまた新しい意見なり見解をしてしてくれるものである。それゆえに自身のブログやSNSではある一定の規則性を持っての公開がひじょうに大切になって来る。

 

もちろんひとつひとつに丁寧に回答するというやり方もある。しかし、おおくの書き手はプロのブロガーではないから、そうしたやり方は睡眠不足や朝起きられないなど自身の営みに支障を来すからまずもって選択し難い。

 

いちばん簡単なのがサイトの閉鎖である。しかしこれは覚悟が必要である。サイトからの撤退はネット上で築いた過去のすべてを失うリスクも伴うからである。自身のサイトがハンドルネームなりペンネームなりで展開されているほどにそれが失われた時の痛みは大きくなりがちである。ネット上に産み落とした自身の分身をそう簡単に自殺させることはすべきでないとぼくは考えます。

 

いまこうして、ツイッターフェースブックでしばしば生じる炎上というものを整理してみるとなにやら交感神経と副交感神経の営みにずいぶんと似かよったところがあるなと思うにいたり、えらく冗長な前フリとなってしまったが「いわゆる炎上を自律神経から考える」というこのカキコをするとにした。

自律神経システム

ヒトの身体は、認知における大脳、運動や言語における流暢さとしての小脳、情動や記憶に関わる 海馬扁桃体 などの辺縁系というオモテのシステム、心臓や腸などの内臓をつかさどるウラの仕組み、影の主人公みたいな自律神経システムとからなりたっています。

脳の研究が進むにつれて、複雑系の逆問題を解く手だてが少しづつわかってきたこともあって自律神経システムの科学はちょっとした流行になっています。

うんち外来で有名な、大学で後輩にあたる、小林宏之先生は自律神経システムの専門家なのは、腸を研究するという行為が、交感神経と副交感神経の働きを解明する作業でもあるからです。

 

交感神経

緊張するとアドレナリンが放出され、交感神経優位、つまり、心拍数も血圧も上がり胃はキューっとなり、腸の動きも止まります。

空腹を忘れ、筋肉は即座に反応できるそんな、なにごとにも即座に対応できる戦闘準備モードとなります。

こんなコンディションの時の心臓は普段よりもはやく鼓動します。そのため心拍リズムの解析をすると高い周波数のパワーがより優位になることが知られています。

交感神経の戦闘モードへの移行は、もっぱら外界からの耳目に^むかう情報のインプットによって引き起こされます。

自分ではコントロールし難い外界からの情報が脳の持つ本来の情報処理量よりもおおくの情報処理を与えられた時、交感神経優位モードになってしまうのです。

 

副交感神経

 副交感神経の役割のメインは、諸説ありますが、脳への求心シグナルがいちばん大事ではないかと考えています。

というのもこのシグナルが不足するとうつ病てんかん、耳鳴り、頭痛などといった病気が頭をもたげて来るからです。

例えば、胃酸がひとところに滞留してしまうと胃壁が痛んでしまいます。そうしたことを避けるために胃は自律的にいつも動いているのが本来ですが、交感神経系が高まると、つまりストレスがかかると、胃の動きも止まってしまい、最悪、胃に穴が空いてしまいます。ストレスがかかると太るタイプの人がいますが、これは、胃酸で胃壁が傷つくくらいなら食べ物で胃酸を薄めてしまえとドカ食いしてしまうためですが、食べることで満腹になれば必然的に満腹シグナルが脳に向かう、これは副交感神経からのシグナルなので、交感神経の昂った分だけそれを相殺するように副交感神経が昂まるというバランスになってちょうど都合も良いわけです。

耳たぶや首をマッサージしたり鍼灸刺激することでリラックスできるのはこの副交感神経刺激と同じ意味合いを持っています。

炎上と交感神経

ここまで読み進めてくださった方は、ここでやっと、炎上て生まれる心的情景が脳生理のそれにある種の類似性があると気づいてくれたのではと思います。

だけど橋下さん路線は疲れるし、無名な人がベッキー路線だと忘れ去られかねません〔そこそこ有名でなければ、休んだ期間が長いと、再開しても依存ほど人は来てくれないし、そんな状況だとかえって落ち込むばかりです〕。

 

橋下元知事みたいなタフな方は徹底的にやり返せばいいし、ベッシーみたいに反省しちゃう〔しちゃわなきゃならない〕タイプはブログ閉鎖とかでおとなしくして人の噂も〇〇日みたいなタイミングで出てするとか、元首相見たくお遍路さんしてきましたみたくリセットするということになるかと思います。

 

なにやらとりとめのない話になってしまいましたが、われわれ庶民派は、鈍感力を使って既読スルーで行くのがベターかなと。予定外に羽田での待ち時間が発生したおかげで、炎上と脳生理の仕組みと対比しながらの思考をしてしまいました。

それでは北京にいってまいります。

 

しゃあね(^ ^)

 

その事実からなにを読み取るか。

 このブログのタイトルを意訳すると・・・
ポスト・真実時代の身構えかた:
われわれは今、科学におけるあくたあまたな真実という名の情報の渦巻きの中でのどうふるまうべきかを問われている
と言った感じでしょうか。 
このなかでは以下の3つについて解説があります。
1.自分の影響力を考え、慎重に行動しましょう(いたずらに拡散することは避けましょう)
2.じっくり考える。そして足跡の共有にはすこしばかり慎重であることが大事です。
3.不確かな情報にはそれなりの注釈なり意見なりをきちんと添えましょう。
 
詳しくはオリジナルを読んで頂くとして・・・
要は、情報化時代は情報そのものをうのみにできない時代だよと言っているわけです。
それも稀代の学術誌の編集員が・・・(-_-;)
 
PlosOneは今の時代を先に行く権威ある電子ジャーナルです。
彼らのポリーシーのひとつが、統計処理や科学的データ処理が正しければ結果(興味の有無とか解釈の方向性)に関係なく掲載してくれることです。
おかげで、境界領域や新しい学問の投稿先が生まれたり、ネガティブスタディ(やっても意味がなかった)的な研究でも掲載される場所が生まれました。
サルベージしてくれるところができたことで科学の裾野がひろがったのはとても良いことです。
査読者のバイアス(興味の有無とか雑誌のポリシーとか)でお蔵入りしてしまった論文のリベンジ先が増えたのですからよいことです。
 しかし、そうした情報学的に正しければその情報は公開するというスタンスは情報の洪水を生み出しています。
ときおりわれわれ専門家の中でもPlosOneの論文に首をかしげることはあります。
(殴られた人とそうでない人を比べたら、いたいという人は圧倒的に殴られた人に多かったというような。こうした例えだとおかしいことはわかるのですが、病気の人を治療した群としない群で比較して治療効果をいうのはこれに近いものがあります。基本的に他剤とガチでの比較をすることは誹謗中傷に当たるらしく基本的にどちらが優れるという治療に関する比較は、自験例といった限定的な空間でしかおこなわれません。)

 

豆腐百珍 (とんぼの本)

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江戸料理読本 (ちくま学芸文庫)

江戸料理読本 (ちくま学芸文庫)

 

 

毎度のはなしで恐縮ですが、
江戸前のレシピをきちんと学ぶことは寿司職人の基本です。
そんな基本もないままにカルフォルニアロールやサラダ巻きを覚えても職人としても骨格をえることはできません。300年前から工夫が続いた江戸前寿司のレシピ集にはまずいレシピは掲載されていません。おいしいものだけが歴史によって伝えられています。
 
インターネット時代 情報化社会 とは、情報がガベージになることを意味します。
そして個々のリテラシーがこれまで以上に求められる時代になるということでもあります。
 
大学においてリベラルアーツの重要性が言われるのは、情報化時代の荒波をサーフィンするためには必要なものが専門性からリベラルに変わったことを意味しているのです。
 

 

おまけ

耳サプリメント2 (中川雅文 監修)

耳サプリメント2 (中川雅文 監修)

 
耳サプリメント (中川雅文 監修)

耳サプリメント (中川雅文 監修)

 

 耳鳴の治療はヒポクラテスの時代から音楽療法でした。

No music No LIFE。

医学が進んで訳のわからないあやしい治療がつぎつぎに生まれていますが、1000年以上も続いている治療が音楽療法です。

 

日本LD学会に参戦してきました(^^)

平成28年11月20日日曜日、パシフィコ横浜で開催された日本LD学会学術集会に参加しました。

一般演題での参加ではなく自主シンポジウムというかたちで、東北大の川崎先生、国福大の小渕先生とで聴覚のセッションとして話題提供してきました。

開始は11時からで、60余席の指定席は当日の朝配券とほぼ同時に完売だったようです。

ぼくが最初のスピーカーでついで小渕先生、川崎先生と続いて、耳と認知の一般論、APDとして知られる聴覚情報処理障害、そして難読症についての話題提供となりました。

シンポジウム自体は前半後半に分かれていて、後半は視覚認知障害ということでかわばた眼科の先生と視覚認知センターの皆さんのお話でした。

 

このページにおいおい講演内容を追記しておこうとひとまずここにその意思表示だけしておきます。

 

では。

最近手に入れた新しい耳栓について

 

 前々から気になっていたヘリックスロック付きの耳栓を手に入れた。

まず、Mサイズを購入したが、遮音性能が11dBくらいしか確保できていないことが確認できたこととヘリックスロックの甘さを感じていたので、並行輸入のLサイズを買いなおした。

結論として、ヘリックスロックのサイズと耳栓のサイズの両方がベストフィットということはかなわないようだ。

のっけから否定的な見解で申し訳ないが、決してこの耳栓がダメというわけではない。それどころかこれまでで最も秀逸だと思っている。

 

このシュアファイア社製の耳栓は、EP3,4,7,11とダンピングの程度に応じたラインナップがなされている。僕が手に入れたのはEP3で最もダンピングの弱いタイプ。カタログ上は、20dBの遮音で、フィルタを使うと11dBで会話もOkという一番デイリユースなタイプだ。フランジは2つだけでその隙間から音が入ってくる。Mサイズで、20dBを確保しようとすると奥まで挿入が必要でそうなるとヘリックスロックの座りが悪くなる。浅めに入れるとロックもしっかり効いてくれるが、耳栓と外耳道に隙間ができてしまうようだ。これはぼくの外耳道が加齢でだんだん円形から楕円形になってきていることが原因だから若い人はそんな心配もいらないだろう。

 

そんなわけで、Mサイズは家人に譲り、Lサイズを調達した。それにより耳栓のフランジはベストフィットした。よろこんで日がなつけていたら、およそ20時間、今度はヘリックスロックのあたりが気になるようになってきた。自分の耳介は右だけ少しひしゃげているのだけどロックのカーブのとあるところがなんとなく当たった感が強くなってくる。

それでも上手い場所を探してやればその違和感は気にならない。

 

およそ15dBの遮音を手に入れた結果は、聞こえのアップだった。

BOSEのノイズキャンセルヘッドホンが-40dbの静寂を手に入れる道具だとすれば、sonicdefender はほとんど効果の感じられない15-20dB の減衰だ。そんな遮音でなにが期待できるかといったら、語音の明瞭度アップだった。

 

入力レベルに応じダンピングが可変するヒアディフェンダー 名優 が強力にノイズカットし音声を浮き上がらせるのに比べると少し物足りない感があるかもしれない。

位置ずけとしては、コンフォート15> ヒアディフェンダー>ソニックディフェンダー>イヤレーサーという順の感じである。

ソニックとイヤレーサーの違いは見えるか見えないか。落とす心配が不要か否かというところだろう。イヤレーサーは半年ほどの使用でシリコンの柔らかさが失われてきた。さてこのソニックディフェンダーがどれほどもつかはこれから検証していきたい。

 

ひとまず自分的にはこのソニックディフェンダーがブームである。

 

また来週お会いしましょう!



さて今日は朝から郡山だ^_^

今週は今日から郡山で開かれる神経生理系の学会にガイドライン策定委員として参加します。

週末にはオーディオ関連の出版企画の打ち合わせ。

 

本業の耳鼻科はどこからもさっぱり引き合いがありません( i _ i )

書評20161019

 ジョージ・フリードマンの「100年予測」の英語版朗読音声をオーディブルの1クレジットで手に入れた。

G.フリードマンとは、言わずと知れた名ライターで、池田信夫さんはもっぱら彼の著述をネタにお話を展開している節がある。

ぼくの最近の読書スタイルは、

  1. 日英で原著と翻訳書がキンドルで手に入れられること。
  2. 英語朗読音声が、Audible.comにラインアップされていること。
  3. Audible.comの音声ファイルが日本でもダウンロード可能であること。

この条件を満たすものを探してそれを

  • 日本語を精読する。
  • 英語版をななめよみ。
  • そして最後にオーディブルで聞き流したり聞き込んだり。

ということをやっている。

 

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage

Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage

 

 

100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

100年予測 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 最近はこの2冊にかかりっきりである。

ぼくは、Audible.comに月に10ドルほど払い、毎月1冊が読み放題となるコースを英語版のオーディブル.comで契約している、Audible.co.jpの日本語版は読み放題だが英語版は月1冊がそれぞれのちがい。Audible.comからおくられるクレジットをつかうことで、10ドルから30ドルくらいの価格帯のオーディブックを毎月1冊手に入れることができる。どこかの大学の講義みたいなねむけを誘う音声やアップルの提供するPodcastにありがちなあまりにくだけすぎた英語とは風情が違う。

朗読の専門家の音声は聞く価値がある!

オーディブル.comのアカウント取得には、英語版でのamazon会員になる必要がある。日本のcojpで取得したときに使ったのとはことなるメールアドレスとで登録が必要となる。日本からでも問題なく簡単にアカウントを取得できる。

オーディブルは基本iPhone で聞くことが前提になっているようでPCでは音声を聞くことができない。アプリでしか起動しないのだ。

最初にアプリをダウンロードして起動すると日本版の方のモードで立ち上がってしまう。そのままログインせずに、画面の下にある、audible.co.jpをタッチすると、audibe.comの英語版に切り替わるので、そこから、amazon.comのアカウントでログインすればよい。アプリ上ではオーディオブックを買うことができないので、Webブラウザーでaudibe.comにログインし、そこから購入することになる。

 

apple musicなどとちがうことは、ダウンロートはWIFIで行うことになるがいったん起動している状態では、オフラインになっても音声を聞き続けることができることだ。

audibeアプリを閉じないかぎり、聞いている途中のオーディオブックはオフラインでも聞き続けることができる。

 使い勝手の悪い点は、日本のオーディブルと英語版のオーディブルを同時に使いこなすことだ。基本、どちらかにきめてくださいという感じの設定になっている。

ぼくは今のところ英語版をメインにして日本語オーディブックは必要なモノだけをituneショップで購入している。山川の日本史と世界史、そしてふるい新潮カセットブックのテープからおこした音声ファイルを音楽のように取り込んでくり返し聞いている。もちろんいくつかはituneで手に入れた。オーディブルのアプリにはituneショップで購入した音声なら再生できる仕組みになっているから、そちらで日本語は楽しんでいる。

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電車のなかでの読書は、前傾してしまいどうしても頚椎がテキストネックになりがちであるけれども、オーディオブックならそうした姿勢の制約もない。

首にも耳にも脳にもよいし英語の勉強にもなるし、文化の違いによる表現のちがいなんかも学べる。日英読書してからの英語オーディブックは脳トレに最良の方法だと思います。

 おっと気がついたら、フリードマンもharukiもぜんぜん書評してないぞ(-_-;)

書評はまた別な機会のお楽しみに(^^;

 

おわり。