トランプ候補のことについて
当初は泡沫候補のひとりと思われていたドナルド・トランプ氏はいま2016年の大統領選の共和党候補選出において善戦している。
日本の外務省は例によって無策だったのかここに来てあわてて身上調査を始めているらしい。真のインテリジェンスであると自称したいなら候補者全員についてそこそこ調べておいたりパイプは持つべきだと思うがMOFAはいつも後手後手だ。
トランプ氏の歯に衣かぶせぬ発言は各所で物議をかもしている。
「日本と中国とメキシコを貿易で打ち任せ!」
「メキシコとの国境に大きな壁をつくる!」
「アメリカはもう昔のような豊かな国ではない!」
そして、
「ふたたびアメリカを偉大な国にしてみせる!」
といつもくくっている。
いずれ偉大な国になるのなら、彼の言う貿易も国境も安保も結局は将来的には大して懸念にもならないだろう。
さてわれわれ日本人も「気は心」とか、「アメリカはわかってくれている」というような浪花節マインドはさっぱりと捨て去りグローバルにしなきゃだめなのは明らかだ。
彼がどんな手法で偉大な国を目指すのかはまだつまびらかにはされていないが、かれがビジネスで成功したのは事実。彼流の商売上手なパフォーマンス、ビッグマウスですくなくともここしばらくはわれわれはビックリさせらたり覚醒させられたりがつづくように思う。
ぼくのような肯定的な意見の米国外の人間や米国内のトランプ支持者はかれの毒舌なり問題発言なりは彼流の「倍返し」でひとつのエンターテイメント、一過性ととらえているわけだけど。中南米のひとたちはずいぶんながきのあいだ独裁に苦しめられてきたからそうしたパフォーマーには無関心というか冷ややかだ。
これまでの彼の発言を見てみるとトランプ氏はポピュリストではないように思える。彼の言動には思想はない。あるのは「強いアメリカをふたたび!」というシンプルなメッセージだけだ。言われたら言い返すそのかれの手法は稀代のアジテータといえるだろう。
昨日のテレビニュースの中で解説員が言っていた。
トランプ氏は一流のビジネスマンであり、メディア人であり、論客である。
これまで彼は「倍返し」でディベートを勝ち越してきた。
しかし彼のこれまでのことばの中には信念は見当たらない。
彼はこれからも本気で大統領を目指すだろう。そのためにはおだやかな路線へとシフトしていくだろう。金儲けしか考えていない有名な個人投資家の某氏が共和党ではなく民主党のクリントン氏に寄附することにしたという報道もあった。マスコミはそうした報道を通じて(マスコミにとってはクライアントではないからなのか)アンチトランプを展開したい様子にもみえる。
しかしそれに対向するように、トランプ氏は舞台裏で多くの共和党候補というライバルの取込を確実にしている。
あらためて考えてみると、なぜトランプ氏なのだろうか?
既成政党への嫌気、これまでの政治家の不信、共和党も民主党もだめ。
だからこそ自腹でここまで成り上がってきた「共和党」のトランプ氏が任期なのだ。
そんなあんなの他国の話しに、自分自身が、盛り上がってしまうのは、結局、日本の政治がそれ以上に膠着していてざんねんなきもちでいっぱいだから何だと。blog書きながら気分が塞いできてしまった。