こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

縦書きか横書きか?

「縦書きと横書きはどちらが読みやすい」

過去の論文によると横書きよりも縦書きが読みやすいということになっている。


しかしこのblogによれば縦書きのほうがしっかりと読んでくれるという結論になっている。
こうした違いの背景には、

1)研究論文の結果は被験者が皆「理系」であったりするからそもそも論的に「横書きがよい」という結果が導き出されやすいだろうということが考えられる。かりに被験者が文系学生であっても彼らは横書きにも縦書きにも馴染みがある、欧米の研究ならなおさら。

2)つまり親密度が大きいと考えられる。なじみやすさが読みやすさを規定するのはまぎれもない事実であるからだ。つまり高齢日本人は少なくとも横書きよりも縦書きが好きで、だからKindleも日本のマーケットのために縦書き対応した。

3)しかし、ヒトには左半分に目を向けてしまう習性や文様の中に顔を見いだしてしまう習性などなど視覚認知において不思議な反応があるらしい(これとて人種や文化の所産かもしれないが)。だからその都度、右側の上に目線を置くことを要求する日本式縦書きは「読み」に慣れが必要である。しかしくせならば一度「型」がつけば必然的に読むことに集中するのも容易なるだろう。

今日日の若者は横書きが良いらしいのは社会に溢れる文字情報のほとんどが横書きになったからかもしれない。さらには、小児の読みの障害として語られる学習障害も社会や文化の多様性の産み出しものかもしれない。そうした子どもたちがタブレットなら学習の理解が進む、遅れがないとの報告もあるから、いわゆる学習障害は、もはや紙媒体への子どもたちの親密度の低下という視点から見るべき課題やもしれぬと時代の急速なる足音に大人のなんともおいてきぼりな姿が見えてくる。
教材をデジタルネイティブな子どもたちにフィットしてないという教育の怠慢と捉えることができるかもしれないがそうした進化?は今度は落ちこぼれの教師をうみ出すかもしれない。

もちろん教師はそうした時にはきまって「教育とは型にはめることだから」と進化を深化させないのでしょうが(⌒-⌒; )