こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

耳鳴りタイプ3のつづき 〜内服している薬剤の副作用による耳鳴〜

耳鳴を引き越す代表的な薬剤として、

のところまで前回はお話しました。

そこで今回は残りのお薬についても解説していきます。

この3つのタイプのお薬については実際にこの薬が犯人かどうかははっきりしませんが、こうした薬剤を内服している人には耳鳴りが多いことがわかっています。骨粗鬆は更年期と密接な関係があるし、甲状腺機能障害は脈のリズムにも影響が出ますし、LDLコレステロールが高く動脈硬化があれば耳鳴りするわけです。そうした病気の治療薬でなぜ耳鳴りということなのですがおそらくは耳鳴というモノが、生理的にニュートラルでないときに生じる病態であるということがその理由ではないでしょうか。少なくともスタチンは血液サラサラと同じ効果もあるので血管雑音は変化するその変化が順応するスピードより速いから検知されるのであるという説明がもっともわかりやすいかと思います。

睡眠薬抗不安薬というのはそれぞれに作用持続時間が異なります。持続時間が短いと、薬の効果が切れたときにリバウンドがきます。つまり、「睡眠薬を飲んだはずなのに夜中に耳鳴りで目が覚めてしまった。睡眠薬の効果をかき消すくらいにひどい耳鳴だ」と薬が切れたから目が覚めたのにそれを別な理由で解釈してしまうのがその一例。あるいは抗不安薬的な作用を持つ短時間作用の睡眠薬の場合には覚醒時に不安の増悪という副作用があり日中の不安の増強と耳鳴がリンクしてしまうなんてことも可能性としてはあるでしょう。

 

いずれにしても薬犯人の耳鳴なのかそうでないのかは、詳細な病歴と内服の履歴を過去にわたって詳細に追跡する必要があります。お薬手帳が大事なのはそうした理由からです。

 

今回のタイプ3の話しはここで終わりにします。