2035年の日本とは、
日曜日、横浜まで小児診療の研究会に出かけました。
聴覚コミュニケーションに関するレクチャ講師としての参加でしたが、
そのあとに会頭のキーノートトークもちゃっかり聞いてきました。
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会頭の本田真実先生は小児診療、それも発達障害のエキスパートで、こんなにいっぱい一般書を出されています。他聞にもれず実にわかりやすく楽しいキーノートレクチャをわれわれにしてくれました。
この会頭の特別セッションは、パネル形式で、このほかにもパネリストとして教育審議会の委員らしきおじさまや 電通マンなど異色の面々も2名参加されて、いろんな議論や意見をたのしく聞くことができました。
お三方はそれぞれ、
1)教育審議会は何を目指しているか
2)小児医療を司るわれわれはそれをどのように理解し、ひとりひとりの子どものためになにをするべきか?
3)IOT時代における教育は産業としてこんなにおもしろい
というようなことを実にわかりやすく解説してくださったわけです。
ボクが興味を持ったのは教育のこれからということでアクティブラーニングの幕開けということをテーマにお話しくださった教育審議会の委員らしきおじさまの話の内容でした。
かいつまんでみると・・
日本という国が2035年にむけてどのような教育システムを進めているか、
アクティブラーニングとはなにか、
英語の位置付けはどうなるかというお話。
特に興味をもって聞けたのは、
- 2035年にはその時28歳以下の若者は英語を母語のように操る社会へと変わる。
- そうした時代への最適化、切り替え戦略こそが、中央教育審議会が目指すものである。
- 2022年にむけての中間的な教育改革としてアクティブラーニングの導入が始まった。
というような内容です。
おじさまパネリストはさらに語気を強めて、
「こうしたアクションは法律ですでに確定したものであって変更されることはない。」
と強調されていたのがとくに印象に残りました。
で、
2035でググってみると確かに、たしかに・・・(-_-;)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000112793.html
実際、政府は密かに?こんな会議を重ねていろいろ議論しているようです。
普段ライフスパンでしか人を見ない医師という近視眼的な生き方をしているせいか、ボクには、教育や保健医療にかかわる人たちがうーんと長いスパンでこんなことを議論しているだなとすっかり感心してしまいました。
そのお話の中で各論的に関心を持ったこととして、社会としごとの変化という話題もありました。「2035年に現在ある職業のうち47%がなくなり、われわれの全く想像できないような職業が生まれるだろう」とおっしゃるのです。
Naverで調べてみるとたしかにこれからの将来、仕事はどんどんなくなる気配です。
- 電話オペレーター
- レジ打ち
- チケットのもぎり
- 集金人
- ホテルの受付
なんていうのがこのサイトにはリストされていましたが、「運転手」や「内科医」も将来いらなくなる職業のなかに入っているというような記事もどこかのWEBには記載されていたようです。医師免許あれば大丈夫という時代じゃない。われわれもうかうかしていられません。そういえばNHKのテレビ番組で大東島の島民の生活を紹介していましたが、アナウンサーが「島の生活は不便じゃありませんか?」とたずねると、かなりの年齢と思われるおばあさんが「Amazonがあるからなーんも不便じゃないよ」といっているそんなやりとりを切り取っていたことを思い出しました。ビジネスの利益が所場代で成立するそんな時代はもう過去のものになりつつあるんですね。
こうした職業の変化についての議論を伺っていると、個人的には、補聴器という技術もいずれはスマホに取って代わり、補聴器も補聴器販売業もなくなるんじゃないかと思ってしまいました。
☹☹☹
文科省と厚労省が備えている2035年の世界の頃には、もうボクは後期高齢者の入り口にいるわけです。社会が未来にむかって前向きに準備する姿は頼もしい限りですが、
実際には、孫やひ孫とは英語でしかコミュニケーション手段がないそんな状況になっていそうで、少し未来を悲観的に見てしまいます。
どうやら今の日本は、明治維新に匹敵するほどの大きな勢いで、社会変革を進めているようです。
おわり