回想 脳のフロンティア
1990年、川崎サイエンスパーク内のインキュベーション企業 ゆらぎ研究所/脳機能研究所の研究員となった。
ゆらぎの世界―自然界の1/fゆらぎの不思議 (ブルーバックス 442)
- 作者: 武者利光
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1980/10
- メディア: 新書
- 作者: ドンキャンベル,和合治久,Don Campbell,真田潤
- 出版社/メーカー: アーティストハウスパブリッシャーズ
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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- 作者: ドンキャンベル,和合治久,Don Campbell,真田潤
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- 発売日: 2003/05
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こうやってドンキャンベルのその後を追っかけてみるとサイエンス誌のショートレターに論文が掲載されて以降はひたすら啓発書籍ばかりを出し続けていたことがわかる。
ストレスの発見者であるセリエ博士も一躍有名になるとその後はビジネスライクにたばこのストレス改善効果を研究していたことを考えると研究というものも常にその裏打ちとしてのビジネスがあることを悟らせてくれる。
はなしをもとに戻そう。
当時、文藝春秋という月刊誌が時代をたぶらかすニューサイエンティストというような趣旨の特集をんだことがある。その中には、しっかりと武者先生のお名前もあった。研究室入り口の応接間にはいつものように文藝春秋がおいてあった。その記事を武者先生がどのようなお気持ちで読まれたのかはわからないが、武者先生はいつもと変わらず自分の仕事を進めていらっしゃったことを覚えている。大学に所属する研究院として株式会社研究所に出向していた自分はそんな状況になにかそわそわしていたように思う。
体が神経を支配する トロフィック理論 を著したデイル・パーペス博士は、シナプス結合に関する研究の第一人者であったが、このトンデモ理論によって脳研究者から追放(?)された。しかし、脳を真摯に研究する者はこのとんでもなくアンチテーゼな理論に目を通しておくべきだとこの本をボクに紹介してくれたのだといまでも思っている。
自分がなにかを正しいと思ってやり遂げようとしているときには、つねにその正反対の意見を言う人をそばに置いておけみたいな(^^;