56歳の意味。
いまでこそ定年は63だとか65であるべきだとかもっともっとという議論があるけど、1970年頃までは定年は55歳だった。
「老廃、労働に耐えず。」
55歳とはもう使いものにもならない老人どころか廃人だと当時の人たちは考えていた。実際のところは戦後の労働人口の急増に対してそろそろ積極的に肩たたきしなきゃいけないけどいかがなものかとこのコピーを思いついて定年制度をスタートさせた。
国民皆保険制度は1961年頃のスタートだから当時の45歳は病気もいろいろ抱えていたのかもしれない。10年後の55で廃人はそうだったのかもしれない。医師優遇税制とかでおおくの医師は開業医になだれ込んだのはこうした世相の時期だった。
自分が気がつくとなにやら「老廃」の面々にならぶ歳を迎えたかと思うとなにやら感慨深くなってくる。
このよわいになるとまずみずから身をもって踏み入れてはならないことというのがいくつもある。
そしてなにより世間も同じようにふるまい始める。
それが教授選である。教授選の応募は55歳以下と相場が決まっているのだ。
いつもなら誕生日が来るほどに未来志向でどんどん夢が膨らんでいたのが自分だ。
ところが今年ゴロー(56)になってしまった。
社会上の制度ゆえの制限が重くのしかかってきた。年齢が自由な未来を描くことをさえぎるという現実。
かくして 小林一茶と同じ心境に、、、、
うれしさも中ぐらいなりおらが春。
- 作者: finalvent
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 16人 クリック: 1,504回
- この商品を含むブログ (47件) を見る