こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

親不知を抜いてわかったこと(^^;

先週、最後に一本だけ残っていた左下顎の親不知を抜歯した。

45度ほど傾いて大臼歯を押すように生えていたので歯間ブラシでもうまく掃除ができないやっかいな歯だった。

 

抜歯は、伝達麻酔と浸潤麻酔のふたつをおこなってもらったせいか、その時の痛みはほとんどなかった。2時間ほどしてからどうもズキズキするようになり、ロキソニンを内服した。後出血もなく安定していたので、シャワーだけとは言われたのだがいつものように温泉に肩までつかってのんびりしていたら、あれよあれよとむくんできた。

お酒をガマンすれば風呂くらいは大丈夫だろうという甘い考えはみごとに裏切られた。

 

抜歯翌日も抜歯部位の痛みと同側の下顎下縁の触知痛があった。なんとなくあっというまに38度くらいまで熱も出た。インフルエンザかと心配したがもちろん検査は陰性。たかが抜歯でも結構熱は出るものだとびっくりした。担当医のすすめで術後は、バナンとロキソニンを5日間連続内服してこの有様だから「親不知抜歯、おそるべし」なのだった。

抜歯3日目に事態は急変した。痛みが減弱すると同時に耳痛(鼓膜の痛み)と耳鳴が出てきたのだ。教科書通りのSomatic Tinnitusが出てきたわけだ。ロキソニンが切れて痛みが出ると耳痛と耳鳴は和らぎ、ロキソニンを飲むとふたたび耳痛(鼓膜につーんとした引っ張られる感じ)と耳鳴が出てくる。

この耳痛と耳鳴はロキソニン内服が終了してから現在(抜歯9日目)でも続いている。この耳鳴は不思議なことに噛みしめるようにすると減弱する。

 

幻肢痛ならぬ幻歯痛が耳鳴と耳痛に化けていくという教科書通りのSomatic Tinnitusに、それまでいささか懐疑的にSomatic Tinnitusを捉えていたボクはいまそのコンセプトのあまりのするどさにちょっとだけ感激している。