こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

オキシトシンが耳鳴に効く!?

ブラジルの耳鳴研究者であるAndreia Azevedo博士がオキシトシンの耳鳴改善に関する研究成果でブラジル耳鼻咽喉科学会最優秀賞を受賞しました。

 

オキシトシンは、

オキシトシン - Wikipedia

といったもので、

 

10年ほど前に点鼻剤がでてきて、いまでは内服薬まで登場しています。ちなみに点鼻剤は日本では入手できません。

脳科学が発見! 吸うと人を信じてしまう魔法の物質:PRESIDENT Online - プレジデント

 

 

ここ最近のネットニュースを猟集してみると・・・

 

www.nhk.or.jp

matome.naver.jp

shuchi.php.co.jp

あるわあるわの情報てんこ盛りです。

10年くらいまえだと記憶していますが、オキシトシンを点鼻されたひとはそうでない人よりも「騙されやすい(相手を信頼しやすい)」という心理学領域の研究報告だったように記憶しています。

その後は、幸せホルモンとして注目され、セロトニンメラトニンと同じように扁桃体をコントロールする(安定化させる)脳内伝達物質ということで注目を受けていたわけです。

重症の耳鳴にはSSRIなどが効果があることはすでにしられたことで、オキシトシンが耳鳴に効くというのは決して驚くべきことではないのかも知れません。

 

こうしたニュースを聞いてわたしが思い出したのは、脳機能研究所時代のロシア人研究者Vovaのことばです。

「なぜマサフミは医者をするのか?それは女性の仕事だ。男性は研究に没頭するべきだ。臨床はエビデンスは得られないし結局女性に負けるのは脳科学をやっていればわかるだろうに!」「長い時間の手術に適しているのは男性でなく女性だし、カウンセリングは女性の方が絶対に有利だ。」

3年前TRIの舞台で、指示的カウンセリングを唱えるPawel J Jastreboff博士(もちろん男性)とCBT(認知行動療法)こそ真のカウンセリングだと異を唱える若い女性の臨床心理士とが舌戦を交わしたことも思い出しました。父権的に語るジャストロボフにたいしてセクシーでコケティッシュな彼女は聴衆の気持ちを完全に捉えていて少しも負けていませんでした。理性(科学)が感性(統計、エビデンス→でもオキシトシンバイアスですけど)に負けた瞬間だと思いました。

 「医療は基本カウンセリングが決め手」

オキシトシンの分泌において男性は女性よりも分が悪い。男性はだからやたら父権的になったりその逆におかまっぽくなってしまうのかななんて。

Vovaのことばを思い出し、

だから自分は臨床(説得)がへたなんだといまさらながら納得してしまいました。

(T_T)

 

耳サプリメント2 (中川雅文 監修)

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愛は化学物質だった!? 脳の回路にオキシトシンを放出すればすべてはハッピー

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追記:

GABAが不足するとオキシトシン効果は出にくくなります。睡眠障害や高齢者の場合にはそれが顕著です。そうした相手にはまずGABAを増やさせる工夫が必要です。

がんこじじい 危うきは近寄らずです。