騒音ってなんだ?
騒音は耳に悪い。
そうした意見に異論を挟む人は少ない。というかそのレベルの公衆衛生学的な知識はすでに広く人口に膾炙されている。
問題は騒音の定義にある。
ある人は大きな音が騒音といい。またある人は恒常的に続く音だという。
騒がしい音か、煩わしい音か、やかましい音か。
自分の趣味の音は大ききてもうるさくはなという。
騒音といっても人それぞれ、だから音に関してはだれしも自分には甘い。
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最新の騒音難聴のテキストブックはもう騒音職場をテーマにしない。
射撃や陸上のスターター音、家事、レジャーに潜む騒音をどう減らしていくか。
静音社会をいかに構築するかに軸足が移ってきている。
騒音と難聴に関する医学の関心も「騒音職場」には向かっていない。
私の知り合いの産業医などは「騒音職場はもう日本にはない。」と言ってはばからない。
「ロボット化オートメーション化でそんな危険な場所にはもう労働者を配置するなんてことはないんだ。」と胸をはっていう。超大企業に雇われる彼には、中小企業の現実は見えていない。騒音とは「85dB(A)leq.」を超える工業機械が生み出すノイズでしかないようだ。
【3月2日 AFP】世界で10億人を超える若者が、大音量の音楽を聞くことによって難聴になる恐れに直面していると、世界保健機関が警鐘を鳴らした。WHOが先月27日に発表した試算によると、中・高所得国の12~35歳のおよそ半数が、聴覚を損なう恐れのある音量で携帯音楽プレーヤーやスマートフォンを利用していた。また、40%がコンサート会場やナイトクラブで危険なレベルの大音量にさらされていた。 WHOでは、85デシベル(dB)を超える音量では8時間、100デシベル超なら15分で、耳の機能を損傷する危険があると指摘。難聴にならないためには、携帯音楽プレーヤーの音量を下げ、利用時間を1日1時間までに減らすべきだと勧めている。(c)AFP
実際には我々の身の回りには驚くほどの騒音が溢れている。
ロックコンサートの最前席正面なら110dB以上になる。前方サイドのスピーカ前ならもっと大きな音量になっていることだろう。本当に耳を大事にしたいならコンサートなんて行くものじゃない。
生活の中にも騒音はある。サイクロン掃除機やヘアドライヤーでも91dBを優に超えるやかましさだ。
木造の開放型の建築から気密性の高いマンションへと住まいは変わり、生活の中での音の問題はかつてないほどにそのリスクが高まっている(確率共振による増強効果)。
幼稚園児の嬌声や近隣の学校の運動会で流れてくる音とてもそれは充分すぎるほどの騒音と言える。
1日の許容量は、91dBで1時間と言われる。子ども1クラスが大騒ぎしてれば優に超えている。
通勤電車での音楽聴取は優に超えているし、掃除や髪を乾かすのもとなるとちょっと困ってしまう。
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内耳が自己修復するには、聞いた後の耳安静も重要だ。最悪の場合、48時間は耳を守らねばならない。その時聞いても良い音量はおよそひそひそ声。自分の耳でなんとか聞こえるというレベルがポイントだ。そうやって可能な限り耳栓で負担を減らすというのはとても大切だと言える。
日差しが強ければサングラスするように、騒々しい時は耳栓したほうがいいに決まってる。