こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

トマティス理論から聴くを考える その1

こんにちは 聴覚評論家の なかがわ です。  きょうは「聞き手」の状態について学んでいきましょう。

それでは スタート(-_^)  

フランスの耳鼻咽喉科医アルフレッド・トマティス博士の理論と実践には様々な批判があります。当時の医学や科学では確かに彼の観念論的理論は受け入れ難かったのは仕方ないように思います。実際、現在でも、彼の理論を支持する仮説がほうぼうで出てきたというくらいのレベルです。

「あぶみ骨の動きを鍛える」という彼の理論は、いま脳科学において話題となっている扁桃体機能と不随意の表情筋(顔面神経)の機能の相互作用から少しずつ説明可能になってきています。しかし、それでも仮説の上に仮説を乗せるだけの話ですから怪しい話であることは変わりませんが💦

と、ご批判をうけることは承知で、そうしたコンセプトをもとに聞き手のコンディションをいうものを図表にしてみたのが以下です。 

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①聞き手は耳だけで聞いているわけではない。

②聞き手は、視覚(見た目)、嗅覚(室内の香り、体臭・香水)、皮膚感覚(握手、用意された資料の紙の質感)、味覚(お茶やお菓子)によってすでにプライミングがかかっており、聞き手がなんのバイアスもなくあなたの話を聞くなんていうことはない。

③話し言葉には、言語情報(テキスト)と非言語情報(テクスチャ)の2つがあり、前者が論理・文意・情報であるとすれば、後者は情意・質感・ニュアンスであり、非言語の一部は発音によって調節可能なパラ言語情報として扱うことが可能である。

3系統の入力があり、言語・パラ言語・非言語のバランスによって聞き手の捉え方が変わることになります。

この図の中では、好きが強い時あるいは嫌いが強くなった時の変化は示していません。

次回以降で、好き脳と嫌い脳それぞれがどうふるまうのかを解説していきます。

 

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つづきはまたこんど。

それでは  ごきげんよう、さようなら(^^)/~~~