こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

福島県での新生児の先天異常は全国平均と大差なし^o^

こんにちは 聴覚評論家の なかがわ です。  

昨日(2015/01/11)の讀賣新聞では、福島県での新生児の先天異常が全国平均と大差ないことを報じていました。

  県の調査では、11年度から13年度(中間集計)までの先天異常の発生率は2・35~2・85%で、日本産婦人科医会がまとめた12年の全国の発生率(2・34%)と大きな差はなかった。早産や低出生体重児の割合も全国的な傾向と変化はみられなかったという。    http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=110458

こうした記事を見て思うのは、

 

  • 生まれてこなかった 中絶を選ばれた 子どもたちのことは調査されていたのだろうか?
  • 結果はそれはそれでは良かったのだが、まるで社会実験のように不安の中で妊婦さんをそんな環境で過ごさせた社会の責任はなぜ議論されない?
  • そうした時期の妊娠中のストレスが今後の子どもたちの知育などになにも影響はないのだろうか?
  • 調査が正しいのなら、各都道府県で1.7〜2.85%とバラツキがあることがもっと気になる。全国のあらゆる場所に福島並みに危険な場所が潜んでいるのか?
などますます不安がよぎってしまうのです。
北海道大の資料を見るとモニタリングの実施率はそれほど多くありません。
大病院ベースのデータということは、リスクのある妊婦さんや不安な妊婦さんだけ調べているんじゃない?全数調査じゃないから精度が低いんじゃないと^_^;
国際先天異常モニタリングセンター(Japan Association of Obstetricians and Gynaecologists: JAOG) 報告によると、わが国の先天異常の発生率は 1997 年から画像診 断による心臓血管形態異常把握開始により、若干の増加を示し約 1.7~2%前後となりその 後、大きな変動はみられていない(平原史樹. 2007)。JAOG は全国 270 施設が登録してお り、国際的な先天異常モニタリングシステム International Clearinghouse for Birth Defects Surveillance and Research (ICBDSR) に報告を行っている。しかし、JAOG の登 録施設は大学病院や地域基幹病院中心で、わが国の出産のわずか 9%のカバー率であるため、 選択バイアスの問題が指摘されている (湯浅ら. 2009; 篠崎ら. 2010) http://www.cehs.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/cehs/1-1%EF%BC%9A%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%A0-%E5%85%88%E5%A4%A9%E7%95%B0%E5%B8%B8J.pdf

とにかくモニタリングとはいっても「我が国のわずか9%」だからなんとも微妙な母数との比較なのです。

被曝リスクがあった人ほど、疎開したり善後策とったりしているわけだから、県内データそのものがめいっぱいバイアスがかかっているんじゃないかと疑ってしまいます。

f:id:neruo:20150112112839j:plain                   http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5909-246.pdf

先天異常の割合と原発比率それぞれの推移はパラレルな変化にみえます。

こういうのをみると地球温暖化を騒ぐ人たちが統計学的な因果関係の議論をどこかにおいたままに炭酸ガスと温暖化のグラフから大変だ大変だと大騒ぎする人たちみたいに反応しているように、原発が原因で日本じゅうに奇形が増えてるぞといってしまいそうになります。

でも冷静に考えると実際にはいろんな要因(妊婦の高齢化、食品汚染、その他の環境汚染など ) があって因果関係なんわかりようもないのが現実です。

まぁ、結局は疑い深くて心配性なぼくの独りごとなんでしょうね。

確かな調査機関の信頼できるデータであるから、今回のような讀賣の新聞報道になっているんだと思うわけです。

まずは安心と理解すべきなんだろうな^_^; と。

なかがわ流新聞読み解きでした。

それでは  ごきげんよう、さようなら(^^)/~~~