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こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

今年も年末年始の当直業務で疲弊する医者のため息が・・・・

世の中あれやこれや

 

 

 

おはようございます。
聴覚評論家のなかがわです。
年末年始はみなさんはどんなふうに過ごされましたか?
 
救急外来の当直に明け暮れた研修医、
担当患者の急変で帰省もキャンセルになってしまった病棟担当医、
彼らを遠隔操作?できるようにいつも圏外にならないよう気を配りながら、
いつでも病院には伺えるようにと、射程距離内でしかくつろげない指導医。
院長であっても入院のある病院なら有事に備えて、院長や院長代行者が交代で、スタンバイしてと
お医者さんのお正月は、世間のいうような9連休を海外でリフレッシュなんてのとは全く違う世界です。
 
お医者さんが世間なみにお休みをとってエンジョイすれば、国全体が無医村になってしまいます。
国民が海外に出かけた分、外国人が遊びに来ていますし、
休みだからこそ山の事故や交通事故といったいつもとは違う場所での怪我や病気が目立ちます。
 
確かに一部の勤務医や開業医は仕事を放り出して遊びに出かけていますが、
ほとんどの医者は、この時期、こうした事態に対応すべく、現場に張り付いているか自宅でスタンバイしています。
お医者さんが休まずにこの時期も病院に張り付いているのはなぜでしょう?
それは、お医者さんが、(いまのところ)市場規範よりも社会規範を重んじるヒトがとてもたくさんいるからなのです。
 
市場規範と社会規範のバランスは、
 
 病院勤務医  社会規範>>>
開業医          社会規範=市場規範
フリーランス医師や美容アンチエイジング系の医師      市場規範>>>>>>>
 
というのが一般的な構図。
 
しかし、現実には、病院に勤務する医師の割合は変化してきています。
常勤、非常勤常勤(非正規)、フリーランス(スポット)の3つがあります。
それぞれの割合は変化しており、徐々にですがフリーランスの割合が大きくなっています。
このことは早晩医療は市場規範で動くマーケットに変容していくことを意味します。
 
医者も行動心理経済学を学ばねば^^;
そんなわけで今年は三ヶ日の自宅待機な時間にこんな本を読みました。
 
 
 
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 
 
この本はヒトの行動心理と経済との関係が卑近な話題を例に挙げながら詳しく記述されています。
溜飲を下げながら面白くいっきに読んでしまいました。
本書の中では、
社会規範と市場規範の相克の中でヒトは意思決定している事例がいくつもあげられています。
ヒトは倫理的で社会的なな生きもので無償のボランティアをもいとわない責任感や愛に満ち溢れた生きものである一方、ほんのわずかなお金が絡んだだけでもそこには競争や比較やといったそこのけそこのけ的な非理性的なふるまいをする生きものでもあると著者は様々な事例を持って解説しています。
前者を持って社会規範と、後者をして市場規範と彼は定義していました。
ナルホドナルホドと読みながら、
フェースブックに目を移すと友人がこんなブログをシェアしていました。
 
 
 
当直の現場は、年前から変わってないなぁ〜と(;_;
自分がまだ若く年末年始の仕事がお決まりだった時代を思い出しつつ、
現場で苦悩する当直医のぼやきに強い共感を感じてしまいました。
 
なんで世の中こんなに変わっちゃったのかなと経済書読みながら振り返ると、
これ実は、一割負担から三割負担になったことが大きく影響しているんじゃないかと気がついたのです。
2003年に皆保険制度は国保と健保の負担を一律3割に揃えました。
当時は、保険財政のことや相互扶助のことをそれなりに伝え、各自が病院へ行くことを控えるようなアナウンスもなされていました。
しかし2003年以降も医療費は一向に減ることはありません(この話はまた別な機会に)。
 
皆保険制度は相互扶助というコンセプトに成り立ってます。
還付ではなく現場での割引です。
医療サービスにおける商取引き的な部分としての金銭のやりとりはそんな仕組みで50年余もたちました。
ほとんどの人は、互助システムであることを頭でわかっています。
しかし、病院に行くことを思い立った時に、自分が患者になった途端に、あるいは窓口で支払う時に、そんなことはすっかり忘れてしまっています。
 
2003年、患者さんの窓口負担は三割負担になりした。
それは、患者さんにとっては3倍に価格が上がっただけでした。
高くなったらそれに見合うサービスの拡張を求めるのは当然です。
モンスターペィシェントと呼ばれる患者の登場は、国民が変容したのではなく
政治とマスコミのミスリード、政策マーケティングに行動心理経済学を加味することが
欠けていた。
それによって生み出された産物だったのでしょう。
 
こうした問題は今後も増えるのか収束するのかがわれわれ医療従事者の一番の気がかりです。
しかし残念ながらこれは増えることはあれ減ることはないように思います。
あまりに増えすぎて何も話題にならなくなる。
そんな不幸な収束に向かうのではないでしょうか。
 
なぜって?それはアベノミクスな時代だからです。
アベノミクスは、今後、自由診療アンチエイジングなんかを花ひらかせようとしています。
そう医療は成長戦略に組み込込まれています。
社会規範から市場規範へ。
医療から医業へ。
パラダイムシフトスイッチはもう入っているからです。
 
医療を成長戦略にするというハンドラの箱が開かれた時、
医師は市場規範で動くヒトが増えてくるでしょう。
そして、市場原理=対価が伴う仕事 に変わる。
そうなるとここで取り上げたような当直医のぼやきなど聞こえてこなくなると思うのです。
 
圧倒的多数で政権継続が決まりました。
医療の市場化の流れを国民は望んでいることは疑いようがありません。
2〜3割の人たちが望んでないことは事実なんでしょうが、政治的決定とは過半数の国民の願いな訳です。
 
われわれ医師もここらで一つ考えを切り替え、市場規範で動くことを真剣に考え始めたほうがよいのかもしれません( ;  ; )