こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

18じゃまだまだ脳は成熟してない

おはようございます^o^ 聴覚評論家の なかがわ です。   きょうは、 「脳はいつまで成長するのか」  についてです。  
それでは スタート(-_^)    
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修善寺の研究会
9月に脳科学の研究会がありました。青森県立保健大学の尾崎勇先生の講演を聞いてきました。
25歳まで勉強続けた脳とそうでない脳の違い、それは爺さんになってから分かるという話でした。
ようは、勉強した脳は認知症にならないと。
認知症は遺伝的素因やメタボが関係していると言われていて生活習慣の改善がその対策として重要視されていますし、認知症にならないためには高齢者になっても学習を続けることが大事というのが最近の流れでした。ところがここに来て新たな学説が登場したのです。
それが、「25歳まで勉強したかしないかで呆けるかそうでないかが決まる!」です。
25歳まで勉強続けた脳は呆けなくて、25歳より前で勉強をやめちゃつたヒトはボケるということらいしのです。
25歳以上のひとはひたすら悔いながら余生を過ごすしかないのでしょうか?

三つ子じゃなくて「25歳」の魂
お子さんの教育ではよく「三つ子の魂百まで」と言われます。
この古くから伝わることわざは、日本だけでなく世界中の文化で同じように語り継がれています。
具体的には、

  • 3歳までの教育によって形成された性質・性格は、100歳になっても変わらない。
  • その期間に乳幼児期の脳を健全に育てることが大事
  • 3歳までに脳の80%が出来上がる。
  • 愛情深く育てられた子供は大脳皮質が厚い。            (以上、Naverまとめから)
というような事実が観察されているようです。

聴覚の世界では、母語の骨格は3歳までに規定されるという「言語の臨界期」と言う考え方があり、重度難聴や聾(ろう)児には、1歳半くらいまでには補聴器や人工内耳をしてことばを入力してやらないと母語獲得が困難になることがわかってきました。そのためお子さんに手話ではなく音声言語を獲得してほしいと希望されるご両親のお子さんには医療的な早期介入が行われています。

手話も独立した言語です。言語が文化を規定し、民族という集団を形成するちからにつながります。両親が手話を話すのに子どもに人工内耳を勧めてしまうと親子の文化に溝ができてしまいます。ハゲやEDは歳のせいだったのが治療可能なものに変わりました。短いまつげをフサフサにする薬も登場しました。ある状態を元に戻す薬が登場することで、個性とか加齢という自然の成り行きの変化が治すべき「病」へとその意味を変えていく。感染症など外敵との戦いであった医学が、内なる変化に立ち向かう手段に変わったことで、医学は単純に礼賛できるものではない破壊的イノベーションの担い手に変容しています。

3歳までに脳の80%が、、、つまり残りの20%が25歳まで?というのが尾崎先生のおっしゃりたいお話だったのかなと。
脳内ネットワークは、15%くらいの混線からエラーが顕在化し、25%も混線してしまうとどうしようもないくらいな認知レベルになります。しっかり勉強して、のりしろを大きくしようというのがどうやらこのコンセプトのようです。
どんな秀才天才でも18歳時にはまだまだ残りの20%まで使いきれていない、それは神経系の生物学的発達がそうしたペースであるからなのでしょう。
最新の脳科学によると脳の配線は、固定配線ではなく生涯組み換えが続いていることがわかってきています。
アルツハイマー認知症やその他の認知症が実際脳内の配線の物理的な構造の破壊で生じる病気ですから、25歳までの学習でできるだけ強固な脳の基本構築を作ることが重要なのは疑いようもありません。
25歳説が事実だとしても、遺伝的素因やメタボなどの生活習慣で神経ネットワークが故障したり壊れたりしないようにすることは大事ですし、情報処理速度を維持するためには高齢者になっても神経回路に機械学習させることの重要性がかすむこともないでしょう。


東大医学部からはノーベル賞が出ていない(^^;;
今回のノーベル賞物理学賞の3人受賞で、日本人は計22人が受賞しました。
18歳時の頭脳コンテストで最優秀と認められた天才秀才集団からは実はまだノーベル賞受賞者がいません。東大をあきらめた努力家が、18歳時のリベンジをと学びつづけたことがノーベル賞受賞者を生乱す理由なのかなと考えたりします。継続は力ですね。


脳は死ぬまで発達する
神経可塑性理論は、脳の発達は死ぬまで続くといいます。
学ぶことと記憶することで、そのネットワークを強固にし、新しい回路も作り出します。
人生100歳時代の現代は、死ぬまで勉強を続けることが大事です。
85歳になるノーベル賞の赤崎さんや100歳超えても現役の聖路加の日野原先生とかのかくしゃくたる姿を見てるとその思いが強くなります。
脳の発達はエンドレス、死ぬまで学びだと思うわけです。

スマホ片手に調べ学習しながらブログを書く。意外に簡単に日々 脳を鍛えるなんてのでも十分。まずは知識をアウトプットするという学問における基本を始めてみてはいかがでしょう?

 それでは  ごきげんよう(^^)/~~~