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こちら難聴・耳鳴り外来です!

きこえ、コミュニケーション、そして認知や学習などについて”聴覚評論家 中川雅文" が持論・自説を思うままにつづっています。ときどき脱線しますがご勘弁を(^^;

補聴器なんて役に立たない その4

こんにちは 聴覚評論家の なかがわ です。
 
カウンセリングの各論の話の前に補聴器がなぜ役に立たないか調整上の問題についても解説しておきます。  
 
それではスタート(-_^)
 
聞くことに貪欲なら補聴器の装用者はクレームなんて言わないよと前回には説明しましたが、そのためには最低限しておくべきことがあります。
それが、OSPL90を不快レベル以下にするという作業です。これがきちんとできてなければどんなにすばらしい機能を持った補聴器もただの騒音製造機か耳栓になってしまいます。
 

OSPL90と不快域値レベル

いきなり専門用語で失礼します。しかしこの2点をチェックせずに補聴器のベストフィッティングは成立しません。
OSPL90とは、Output Sound Pressure Level on 90dB の略語です。補聴器に90dB の音を入力した時、補聴器からどれほどの大きさの音が出力されるかを表す指標で、そのピークは必ず125dB以下であることが求められます。

それはヒトの耳に音に対する1日の許容量があるからです。うるさい音が補聴器でさらに大きくなってしまい 例えば125dBになってしまうと30分くらいで難聴が進んでしまいます。もちろん補聴器にはそうしたうるさい音を回避し増幅しない仕組みが備わっていて、許容量を超えることはないはずなのです。しかしそれはあくまでも器械の設定の話なので、故障や調整ミスでオーバーしてしまうことがあるからです。経験上半年に一度くらいはそうしたチェックが必要です。

 

このOSPL90が危険な125dBを超えないことは当然ですがもう一つ会話域の周波数でその値が不快域値レベルを超えないことも大切です。

 

ヒトの聞こえの評価は、

 

  • 最小可聴域値
  • 快レベル
  • 不快域値レベル(UCL)

の3つの指標で評価します。

健診の聴力検査では、最小可聴域値 しか調べません。

補聴器フィッティングでは、快レベルとUCLがとても大切になってきます。UCLの値が大きければうるさい音への寛容があり、小さければ音過敏な状態です。難聴があると聞きたい聞きたいと脳内のテンションが高くなっているので、小さな音へも過敏性が高まりすぎてしまいます。楽々聞けるようになると値は大きくなってきます。つまりUCLはコンディションで変わります。

補聴器のゲインはこのUCLを超えないように設定しないと装用者は時にひどく激しい訴えをすることになります。

UCLを超えるような過剰なゲインになってしまう原因のほとんどは以下の理由です。

 
  • 実耳で特性評価をしていない。
  • 擬似耳でなく2ccカプラーでしらべた。
  • 装用訓練あるいはカウンセリング時にそうした症状が装用者のコンディションによるものだと説明できてない。
それでは次回はカウンセリングの各論について解説していきますね。
 

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